2015年03月10日

漢方薬は伝統的な診断をするほど効果が高まる!?

先日、こんな記事がありました。

夫を癌で亡くした女性医師による、がん研究への提言「動物実験はムダ。人間の細胞を使うべき」

記事の中では人間に使う薬をつくるのに、ネズミで研究開発せずに人間の細胞を使うべきという主張をされています。

この中の女医さんは記事中で、

(記事から引用)
「ガンに対してより有効な薬が開発できないのは、あまりにも動物実験をベースに薬を開発してきたせいだ」と発言しました。
それ以来、嫌がらせのメールがかなり届いています。
(引用ここまで)

病院のお薬はネズミの実験によってつくられています。

この女医さんが言ってることは至極もっともですよね。

嫌がらせのメールが来るのがよくわかりません。

人を治す医療のためではなく、誰かが自分の利益を守るために嫌がらせをしているのでしょうか?

医学的な専門知識がなくとも、ネズミと人間を一緒の設定で考えていること自体がよくわかりません。

全医療者が「ネズミに効いたことを人間にも効くって考えること自体がおかしいんじゃない!」って言ってもいいと思うのですが、それをすると西洋医学が外科以外なくっちゃいますね。

別に専門知識がなくてもみんな思うと思います。

「なんで、ネズミと人間が一緒なのか?」

実際にこの記事の中でネズミに効いていた薬は人間には全くダメだったようです。

当たり前と言えば当たり前ですよね。

そもそも、最初になんで姿形も生活も何もかもがあまりに違うネズミで実験したものでも人間にOKだと考えたのでしょうか?

論理からいくと、薬の実験をする前に、まず「人間とネズミは一緒である」という証明が必要な気がします。

だって、単純に「人間とネズミは別のものである」という前提になったら、ネズミの実験って薬と関係ない、ただの趣味ですよね。

だって人間に関係ないんだから。

西洋医学のパンドラの匣を開けた医師だな。と記事を読み進めていたのですが、最後の方に「ネズミではなく人の細胞で研究をやらなければいけない」と書いてあったのですが、僕はそれは違うんじゃないかと思います。

「ガンは自分の細胞とガン細胞の間だけで起こっていることではなく、ガン細胞の周囲の環境も関係している」とこの医師は語っています。

そして、そのガンの土壌である周囲の環境は、次々に変化していくらしいのです。

だったら、いくらネズミでなく人を実験に使ったとしても、細胞だけの実験じゃダメですよね。

周囲の環境がガン細胞と関わっているなら、その周囲の環境をつくりだしている身体全体も一緒に実験する必要があるのではないでしょうか。

結局、その人の細胞はその人かもしれませんが、細胞1つが全部その人ではなく、細胞が積み重なってできた体内環境まるごとがその人です。

人の細胞だけで実験しちゃうと「ネズミ」が「部品的な細胞」に取って代わるだけのような気もします。

結局は、人間に必要な薬は人間で実験しないと意味がないんですね。

当たり前と言えば当たり前ですが・・・

ちなみに漢方は何千年と人を使った壮大な人体実験によって成り立っています。

どこかの製薬会社が何百億円、使ってつくったわけではありません。

その膨大な経験から得たデータを東洋医学理論にまとめ、東洋医学的な体質の診断方法やそれにあった漢方薬を選ぶ方法があるわけです。

病院などでは、西洋医学の病名をあてはめてマニュアル的に漢方薬を選んでいるところが多いです。

つまり東洋医学理論を全く使わずに最終的に使用する薬が単に病院の薬から漢方薬に取って代わっているだけの状態。

科学が進んでいるんだから、科学を元にそうやっていくべきだと主張する人もいますが、それだと折角の何千年の実験データをフイにして使わないということです。

しかし2千年たって今度は西洋医学が人間で実験して薬をつくるべきだと考えられているのです。

現場の医師がネズミではなく人間の実験でないと、ネズミでは意味がないと言ってます。

なので、僕は漢方は2千年の人体実験の経験を生かす伝統的な方法で診断すればするほど、治療精度は上がっていくのだと実感しています。

また、伝統的な体質の診断の方法や漢方薬の選び方法を学ぼうと思ったら、幸いなことに何千冊と漢方の書物が残されています。

なのに、なぜ、膨大で貴重な2千年の臨床データを捨て東洋医学的な体質を診断もせずに漢方薬を処方するのか・・・漢方薬をなんとももったいない無駄な使い方をしていると思います。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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posted by 華陀 at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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