この効くか?効かないか?の答えは厳密には「効く。効かない。」のYes or No では答えられません。
「そのサプリメントをどんな方向性やルールでどんな目的として考えるのか?」という条件付きで考える必要があります。
例えば、この前、ある健康番組で医学の都市伝説のウソホントを検証する!みたいな番組の中で女医さんがある質問に答えていました。
「チョコレートと湿疹は関係あるのか?」
女医さんは断言していました。
「全く、関係ありません!!」と。
今、うちに皮膚病系の難病で通われている人がいます。
(記事のテーマと関係ありますので、おつきあいください)
何年と数件の病院に通い、最後は阪大に通って、大きなスーパーの袋2袋位のステロイドやら薬をもらって飲んでいました。
その中には漢方薬も含まれていたみたいです。
でも、漢方薬を東洋医学のルールで処方できてないから全然、効かなかったみたいです。
当然、他の薬も。
その方がうちに来て、最初の2週間で、5年間の病院通いの中で一度も感じた事なかったような良い効果がありました。
そして、今も一緒にいろいろ調整しながら治してます。
全体的にもよくなってきているのですが、時々、ひどく悪くなる時があるのです。
漢方薬、食事、睡眠、ストレス、いろいろな要素を話し合って、原因を探るのですが、行き着く答えはチョコレート。
それも1回、2回でなく、一時的にひどくなっている時って、いつもチョコレートを食べた後。
これ、僕がチョコレートが原因だよって誘導するような会話をしているわけではありません。
過去に病院だけの治療をしている時は「悪くならない程度」がベストな状態だったので、逆に一時的に悪くなっても、あまり差がなく、わからなかったのですね。
大体が日々、変わらず、ただ、ただ、悪いだけだから。
ところが、うちに来て、良くなって、一時的に悪くなって、それを漢方薬を変更したりして、また良くなって、また一時的に悪くなってと何回か繰り返しているから、ご本人が悪くなる時にいつもチョコレートが絡んでいることに思い当たったようです。
それで、やっと、さっきの話ですね。
テレビに出てた女医は「チョコレートと湿疹の悪化は全く関係ない!!」と断言しています。
でも、うちの患者さんは総合的にいろいろな原因を考えたけど、やっぱりチョコレートが原因なんです。
そもそも、こんな都市伝説的な質問がテレビに出てきたのか?
それは、湿疹やニキビの人がそう感じているからではないかな。
これ、西洋医学ではチョコレートに直接、悪くなる成分がないから関係ない!って言ってるのだと思いますが、東洋医学的には問題アリなのです。
でも、食べ物に原因がないから、病気にならないって言うのであれば、糖尿病って何でしょうね?
チョコレート(カカオ)は「昇」という性質が強い食べ物です。
「昇」とは血や気を上へ上と上げる作用があります。
肝陽亢盛といって肝の臓系の熱を持ちやすく血の滞りを起こしやすい人はチョコが合いません。
漢方ではこの体質のタイプの人は血や熱が湿疹として現れているのでチョコを食べると湿疹がひどくなるのですね。
また、湿疹は、この肝陽亢盛のタイプが多いです。
西洋医学ヨリの医師や薬剤師ってすぐに勘違いすることが多いのですが、実は「チョコレートが湿疹をひどくする」のではないです。
「チョコレートの持ってる性質が合わない東洋医学的体質の人がいる」とうことです。
だから、中にはチョコレートと湿疹がひどくなる関係性がない「東洋医学的体質」の人もいるということですね。
単純に「チョコレート=湿疹がひどくなる」こういう軽い発想も危険です。
西洋医学的に説明するとカカオは脂肪分が多いので胃もたれや胸焼けを起こしやすいので、うまく消化できないものが増えたりします。
そうなると腸での免疫の問題なども起こってきますから、免疫系からみた湿疹の炎症の問題なども起こってきます。
これは東洋医学じゃなくて女医さんの分野ですね。
なんか、元の話ってなんでしたっけ?ってなりそうですが、
サプリメントなどの効果があるか?ないか?というのは、ポイントとしては、どういったルールで効果を考えるのか?を考えないといけないということです。
今回の例なら、前半の話では「東洋医学というルール」から見たらチョコレートと湿疹は関連があるかもしれないということですね。
そして、後半の西洋医学と栄養学的なミックスから考えても関係があるかもしれないということです。
単純に西洋医学の「成分」だけで考えたら、チョコレートと湿疹の関連はないと思います。
どちらも先ほどの女医さんに欠けていたのは知識の幅です。
女医さんの意見を厳密に言えば、
「私の知っている範囲ではチョコレートは関係はないと思います。」
となります。なぜなら東洋医学なんて知りもしないから。
これが正しい答えじゃないかな。
医者がややこしいところは、自分が賢い、間違っていないという観点から話すからおかしいのです。
医者が説明する時に「成分のことくらいしか知らないけど・・・」とか「偏った知識しか持ってないけれど・・・」と前置きすれば、わかりやすいのですが。
薬の効果、サプリメントの効果。
これらは「効果があるか?ないか?」ではありません。
どういったルールで、そのモノを見るのか?
そして、答える人のレベルです。
答える人の知識範囲が狭ければ狭いほど、意見としては参考にしずらくなります。
今回の話のように即座に断言する人は「科学的だけ」とか「西洋医学の成分だけ」といった偏った方向性の頭が残念なことが多いので、賢そうであればあるほど注意したほうがいいかもしれません。
●ニキビ、アトピーなど、漢方相談ご希望の方は、こちらのまごころ漢方の「無料漢方相談」から送信してください。
●お問い合わせなどは、こちらから送信してください。
【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉