2015年07月08日

漢方薬は病院の薬のような頓服で使えるのか?

漢方薬といえば根本治療なので、長く続けて少しずつ治していく性質のものです。

そして根本治療は時間がかかるものです。

かといって、そんな時間のかかる治療しかできないかというと、そうではありません。

病院の対症療法のように速攻で効かせることもできます。

漢方のバイブルの1つである傷寒論は2千年前の書物で、今の漢方の始まりの本とも言えますが、この本に書いている治療は感染病を克服するために書かれているのです。

それも1週間など、短い期間で死に至るような感染症です。

慢性病を少しずつ治していくと思われている漢方の治療の始まりは1週間以内に治さないと死んでしまう人の治療からなんですね。

実は病院の薬のように速攻で効かせることもできるし、長年悩んでいる慢性病を根本から治すこともできるのですね。

うちの家族は基本、医者が病気を治せると思っていないので、病院には検査などの必要性がない限りはいきません。

風邪、下痢、頭痛、じんましん、鼻炎、ヘルペス、ものもらい、胃痛などなど急性であっても自分のところの漢方で治します。

店から持って帰るだけだから、待ち時間ゼロ。医者との不毛な会話をする必要もないし、清算で長々と待たされることもありません。

急性の場合は、1、2服で効いてくるし、そんなに長く続ける必要もありません。

いや〜病院のような急性にも対応できて漢方薬って便利ですね。

しかし、そこには落とし穴もあります。

それは、急性であっても、あくまで、その人の体質を見ないといけないということ。

医者が好きそうな「下痢=〇〇漢方薬」なんてマニュアルを見て選んだだけでは、10年飲んだって効きません。

うちの問診表は、たくさんの症状や状態についてお聞きしています。

50項目、250箇所のチェックを行います。

その人の症状などの情報が多いほど、人それぞれの体質に分けていくことができます。

ところが、急性の治療の場合は元の体質にプラスして急性の原因が加わる感じです。

大もとの深い体質があって、そのベースの体質に急性の病気になる要素が関わって症状を引き起こしているのです。

体質が2重のようなイメージですね。

この場合、元の体質の治療と急性の治療の速度や性質が違うわけです。

例えば急性の頭痛の場合、元の体質が水毒という水の巡りの悪い体質であれば、普段の「じっくりと水の巡りを整えてくれる漢方薬」から「早急に水の巡りを変えてくれる性質の漢方薬」に変更しないといけません。

もし元の体質がわかっていない場合、「今回の急性の頭痛が水の巡りの悪さからなのか?」「熱がこもってなのか?」「気が緊張したからなのか?」「冷えが急に受けたからなのか?」まだまだ、いろいろな要素が関わってくるので、漢方薬を外す可能性が高くなります。

急性の場合は、そのケースによって病院の薬の方が手堅い場合もあります。

こんな時は慢性病も急性病もどちらもマニュアルでしか処方できない病院の漢方薬はうらやましいです。

慢性病の場合は、深い体質を探っていけばいいのですが、急性になると、それにどんな影響が加わり、その影響が元の体質にどんな影響を与えたか2重に考えないといけません。

なので漢方の知識や知恵だけじゃなく、経験や感覚的なものも必要になってきます。

病院のお薬が誰にでも効くのは、無理やりな外的な効果で症状を強制的に止めているだけだからです。

痛みの伝達物質を遮断する。

免疫反応を抑えて炎症しなくする。

身体のいろいろな症状は、自分の身体が自分に嫌がらせでやっているのではなく「自分の身体のどこかに治さないといけないよ」というサインなのです。

病院の薬は最終的にサインを出す痛みや炎症などを薬の外部の力で治すというよりも、なかったことにします。

身体がなんらかの原因でおかしくなって、痛み物質君が痛みを緊急事態だと知らせようとするわけです。

そしてこの知らせを受け取ると「痛い!」「かゆい!」となるわけです。

病院の薬はこの最終の伝えようとする物質を叩き潰す役割です。

最終的な物質の伝達などのメカニズムは誰もが同じ条件で発生するので、その伝達物質を薬で抹殺すれば、体質なんか関係なく、理論上は誰でも効くわけです。

急性の症状をしのぎたい場合は、一時的ではありますが、病院の薬の方が体質を選ばずに漢方薬よりも効く可能性が高いです。

漢方薬は急性の治療であっても、あくまでその人の体質から起こっている問題が起因しますので元の体質を見誤っていれば、外す可能性が高いです。

なので、急性でパッとその場だけ凌ぐ場合は、病院の薬のほうが良い場合もあります。

ただし、病院の薬の場合は、あくまで理論上的な傾向がありますので、思ったよりも効かないこともあります。

漢方薬は急性では外して効かせられないというリスクがありますが、その急性症状が元の体質の影響でたびたび起こっていたり、病院の薬が飲みたくない人は、急性症状を漢方薬で治療するのも1つの方法です。

ただし、僕がこんなことを言うのもなんですが、大半の病院などは通常の慢性病の治療すら東洋医学的な体質を分析して治療することができません。

急性病は長々と問診をとれませんが、その分、経験と直感、センスが慢性病の根本治療よりも必要となりますので慢性病で、まともに体質を判断できないところは、まず不可能だと思います。

つまり、病院の風邪や頭痛などの急性病に対しての漢方薬の処方は、マニュアルという名のいい加減な処方なのですよ。

●風邪や頭痛、下痢など、漢方相談ご希望の方は、こちらのまごころ漢方の「無料漢方相談」から送信してください。

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【このブログの著者】
まごころ漢方薬店 国際中医師 松村直哉

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posted by 華陀 at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気を治す方法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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