高齢の人で医療に対して無知で古臭い考えのままの人は「薬は治してくれるもの」と無条件に信じている人が多いようですが、今の若い人で普通の感覚の人はネットの情報のおかげもあるのか、病院の薬って無条件にいいものではないということは理解されているようです。
そういえば、医者の薬の処方の仕方をみていると、薬が「無条件に良い」的な感じに考えているように見えますが、医療の専門家でありながら、まさか薬に対して無知ではないと思うので、お金儲けのために無条件に薬は良いと信じているフリをしているのか、それとも、そのまさかで薬に対して実は無知だったりするのか・・・どっちに転んでも嫌ですね。
みんな病院の薬は嫌だと思います。
そして、その具体的な理由はなんでしょうか?
副作用があるから?
化学合成品だから?
効果が一時的でどうせ症状が再発するから?
多分、全部だと思いますが、今回は副作用のことを取り上げたいと思います。
「薬の副作用」
多分、あなたの感覚では「薬を飲んでいたら時々、運悪く起こる作用」と考えていません?
医療の専門家である医者も医療素人の方と同じようにそんな風に考えている節があります。
実は副作用というのは、もう一つのりっぱな効果なんです。
例えば鎮痛剤は@痛みを取る効果とA胃粘膜を荒らす効果の2つの効果があります。
鎮痛剤を飲んで胃痛などが起きれば、鎮痛剤はバッチリ効いているということ。
だから、鎮痛剤を処方する時は同時に胃腸薬も一緒に処方されますよね。
保険適応って安いからあまり深く考えずにお金を支払っていると思いますが、良く考えたら、これって変ですね。
治して欲しいとお願いしたら、鎮痛剤という商品を医者から提案されたわけですよ。
「治るのなら、それ頂戴!」となりますが、提案されたのは実は「痛みは取るけど胃を荒らす」という未完成の欠陥商品みたいなものだったのです。
おかしいと思うのはセット販売してくる胃腸薬が無料だったら納得いきますが、欠陥品を売っておいて、さらにそれをフォローするための胃腸薬という商品も買わせているところ。
普通の商品なら「イヤイヤ、そんな欠陥品はいらないから、痛みだけとるものをください!」となりますが、そうはいっても良い効果だけの薬なんてないのです。
抗菌剤とビオフェルミンのセットなんかもそうですね。
抗菌剤は悪い菌をやっつけるのではなく、菌を根絶やしにします。
菌は実は良いとか悪いとかなくて、僕らにとって「良い」という状態は簡単に説明すれば、良い菌と悪い菌と呼んでいるものが半々みたいな「バランスがとれている状態」が良いのです。
良い菌が多かったら良いではありません。
抗菌剤は悪いもクソも良い菌ごと殺しますから、腸内環境はバランスの崩れた最悪な状態になります。
そして下痢になるのですね。
だから、抗菌剤も2つの効果があります。
@悪い菌をやっつけてくれる。
A腸内菌を荒らして下痢になれる。
鎮痛剤や抗菌剤なんてまだマシですよ。
良い効果が1つと悪い効果が1つと1つずつで、胃腸薬やビオフェルミン(ビオフェルミンで下痢が簡単に治るのか疑問だが)などを被せて飲むくらいですが、なんとか悪い効果は消せます。
ステロイドなんて最悪。
@炎症反応を抑えるとA免疫抑制しアレルギー反応を抑える。の2つの良い効果に対して、10個位の悪い効果があります。
悪い効果は多すぎるので、またの機会に詳しく書きますね。
ついでに書くとAの作用はステロイドを長期間、使っていると免疫が低下して、言わばバリアのない丸裸状態になるので、菌やウィルスにやられやすく、自分の持っている日和見菌のバランスも崩れて、自爆感染みたいになりますので、Aの免疫抑制は良い効果でもあるし長期間使えば、悪い効果に変わります。
これだとステロイドは1個の良い作用に対して11個の悪い作用ですね。
たった1つの「かゆみ」を止めるために体をいろいろ犠牲にしすぎじゃね?って感じ。
残念ながら病院の薬は実はどれもトレードオフの商品なのです。
トレードオフというのは「一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態 byWiki」という意味。
難しい言い方をしましたが、要は「あちらを立てればこちらが立たず」というのが病院の薬の正体です。
シーソーゲーム。だから通院が長くなると、いつまで経っても治りません。
医療者側の薬の説明には、どの薬にも「薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。」という説明があります。
まるで株などの投資商品のような説明ですね。
「株などの投資は、かならずしも儲かるものではありません」みたいな。
薬はこういったものしか存在しないので薬が悪いというわけではなく、問題は医者の説明の仕方や印象のつけ方です。
副作用には「副」がついているから、なんとなく弱い方のたまに起こる一時的な作用のイメージになってしまっています。
しかし実際は悪い副作用だって、良い作用と同じくらいの強さの効果なんです。
薬の添付文書などの作用機序を薬理レベルでみればわかります。
だから、鎮痛剤の効果には「炎症と止める」だけでなく「胃を荒らす」ことも同じレベルで含まれます。
そこをしっかりと患者さんに誤解なきよう伝えるべきだと思います。
うちの患者さんで病院の薬が増えた人に対して問診をとった時に前よりもいろいろな不快な症状が増えていて「なんか最近、いろいろな症状が増えてきたのです。なぜでしょうか?」と聞かれました。
なぜって、病院の薬のもう一つの悪い効果がバッチリ効いているのですよ。
ステロイドを塗り続けていて、むくんでいるならバッチリ効いてますよ!
病院の薬はどれもこういったトレードオフのものです。
そして、この流れでいくと漢方薬は「安心してください。漢方薬は自然のもので副作用がありませんよ」的になると思いました?
違います。漢方薬だって良い効果と悪い効果があります。
体質と漢方薬によれば病院の薬よりシャレにならないくらい悪くなります。
漢方薬の副作用は、体質と漢方薬が合っていない場合。
これ、元々の体質診断が間違っているというパターンもありますよ。
実に単純に説明すれば、冷えている人に冷やす漢方薬を選んだ時は副作用的な悪い効果を発揮します。
この時に「普通、手足の冷えている人に冷やす漢方薬なんて選ばないだろ」と思うでしょ?
漢方の体質分析って、症状まんまで診るんじゃないのですよ。
手足の冷えも単純に寒証といって冷えとして診る時もあるし、同じ冷えを血の巡りが悪くなって起こっていて、しかも、その血の巡りの悪さは血熱といって血が余分な熱を持ったからと診る場合もあり、この場合は、足の冷えがあるのに冷やす漢方薬で治します。
症状も冷えだけでなく漢方は全身をみますから、この調子で「頭痛」やら「寝つきが悪い」など何十個の症状をみていきます。
だから、専門でやってる先生でも体質分析を見誤ることなんてめずらしくないです。
ちなみに保険適応の漢方薬なんて、病名あてはめるか、症状あてはめるか、朝のテレビ占いレベルみたいなことしかやってないので、良い効果も悪い効果もクソもありません。
処方している医者がわかってないですから。
漢方薬もトレードオフの薬です。
しかし病院の薬のような薬自体が欠陥品ではありません。漢方薬はよくできています。
漢方薬の場合は薬自体ではなく体質に対してのトレードオフです。
「温める漢方薬は冷やさないといけない体質の人には効かないし副作用になる」
漢方の潔いところは病院の薬のように「副」作用とかいって悪い効果を姑息に隠してません。
そもそも、陰陽の法則から「誰にでも良い効果があるものなんて、この世に存在しない」という考えなんです。
だから漢方では正式には副作用という概念はありません。
「ある体質が治った人の漢方薬は正反対の体質の人には合わない」という考えが常識なのです。
なので「私の漢方薬の副作用ってなんですか?」と聞かれることがありますが、病院の薬みたいに「胃痛になります」「下痢になります」なんてものはありません。
その人の体質と漢方薬が合っていないゆえの副作用が出るので「あなたの体質と、この漢方薬だったら、合っていない場合は、○○が考えられます」と同じ種類の漢方薬でも人によって出るかもしれない副作用も人それぞれなんですね。
もし「私の漢方薬の副作用ってなんですか?」って聞いて「あなたの体質であれば・・・」と言わずに「あっ、その漢方薬の副作用は・・・」と体質置き去りで説明しはじめたら、その先生は実は漢方ができないニセモノです。
病院の薬も漢方薬でさえも悪い効果がない薬はありません。
逆に悪い効果がないものがあれば、体を変化させることができないということなので、良い効果もありません。
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