また今、病気じゃないけど、漠然と免疫をアップしたいとか、ガン予防したいなどでサプリメントを飲んでいる人もいます。
うちで漢方治療する場合、基本的にはそれまで飲んでいたサプリメントはやめてもらっています。
なぜか?
それは意味がないから。
漢方薬局の中には、漢方相談と言いながら、その相談の中身は、ただいろいろなサプリメントを勧めているだけ。というところがあります。
漢方薬は生薬というもので構成されていますが、生薬を使っている商品だったら漢方薬ではありません。
漢方薬と説明しながら、実はある生薬をエキスにしただけという漢方もどきの健康食品は漢方薬局の中の商品に一杯あります。
これは、漢方薬の方がサプリメントよりも効果が高いとか、そういう問題ではなく、漢方薬を処方したら、それで「漢方」ではなく、漢方薬とサプリメント(漢方もどきの生薬サプリメント含む)との違いは、医学理論がしっかりとあるかどうかです。
言うまでもなくサプリメントには医学理論はありません。
効果などの研究データがあるじゃないかと思うかもしれないですが、あれは当のサプリを売っている会社が自分達で勝手に大学病院などにお金を出して良い効果のデータっぽいものを発表しているだけで公式のものではありません。
病院の薬は何十億円とかけて効果などを研究し、公式に効果が認められないと「薬」になれませんが、サプリメントは自分の会社のデータを勝手に出したもの勝ちで別に公式に認められなくても、そのデータを餌に販売できます。
本当は、そのサプリメントを売りたいと思っている当の会社が差し出した効果のデータを本物か偽物かを考えるのはあなた自身が考えなければいけません。
サプリメントの効果の研究データも病院の薬のような感じで、どんな有効成分があるのだとか、その有効成分にどんな科学的な効果があるのかの研究データとなり、考え方は病院の薬と同じですが、かけている研究費等は病院の薬と比べるとサプリメントは研究にお金をかけていないに等しいので、病院の薬の劣化版で廉価版ともいえます。
「あのサプリメントの効果は、こんなすごい大学の研究データがあるからすごいんだよ」みたいに話している人を見ると裏事情を知っている僕からすると「うわぁ〜しっかり騙されてるわ」と思います。
漢方薬も自然のものだから、副作用が少なく、それでいて効果があるので、サプリメントと近いようなイメージを持つ人が多いですが、全くの別物です。
先ほどもお話したように漢方は効果を比べるのではなく漢方には医学理論があります。
サプリメントは元々、医療的に治療目的で使うものではなく、いわば、ほとんどがただの食べ物。
医学理論は後からくっつけたような会社勝手なデータらしきものがあるだけ。
漢方は効果がどうとかではなく、漢方には体質診断や副作用に対する対応方法など、漢方薬を生かすための医学理論があります。
生薬をサプリメントにしているものとも違う点も正にここで、体質を診断し病的体質である証の調整方法を考えることが漢方の治療のミソであって、漢方薬自体の効果がどうたらこうたらと考えることではありません。
なので、生薬に血の巡りを促す効果があって・・・などは、漢方の医学理論に則っていないし、医学理論のない生薬は民間療法的なレベルで使うことになるので、その場合の生薬は漢方ではなく、ただのいい加減系サプリにもなりかねません。
うちでは、病院がやっているような漢方の医学理論を無視し自分たちの都合のよい病名マニュアルで漢方薬を処方するようなやり方はしていません。
漢方薬をできるだけ正しく使い、できるだけ本当の効果を引き出すために病的体質を分析、診断し、その病的体質をどう調整すれば治療できるか、東洋医学理論に則って治療方針を考え、最適な漢方薬を選んでいます。
効きそうな効果の漢方薬を選ぶのではなく、漢方は人それぞれの体質の分析から入らないと漢方治療として成立しません。
サプリメントはどんな体質の人に合うのか、そんな理論や情報は一切ないし、効果の研究も病院の薬と比べたら、ひどい劣化版で、その人の体質が良くなるのか?悪くなるのか?理論的に全くわからないので、よくわからないのであれば、お金を出してまで余計なことをする必要がなく、ゆえにうちで治療する場合は、サプリメントは全部やめてもらっても問題ないと言ってます。
またサプリメントは食べ物由来のものが多いので、だったら、食事を整えればいいだけです。
それができないからサプリなんだと言うのであれば、根本的な生活を改善できない人が根本的に治るわけがありません。所詮、付け焼き刃。
栄養素などはたくさん摂ったから良くなるわけでもなく、良くて体から無駄に捨ててるか、体質に合っていないものをたくさん摂って、より悪くなっていることもあります。
サプリメントは便利ですが、良いものかどうかは別です。ただ単に便利なだけですよ。
そうは言っても、もう一つ疑問が残ります。
では、漢方薬をサプリメントのように飲み続けてもいいのか?
答えはイエス!
しかし、条件があります。それは日々の体調に合わせた漢方薬を選ぶ必要があります。
漢方薬は栄養素ではなく薬ですので特定の効果が決まっている薬ではなく「病的体質を調整する薬」です。
ここでの病的というのは西洋医学の病気や病名ではありません。
特定の病気を診断されてなくても体のどこかに不調であれば、病的体質です。
漢方薬は大きな病気であろうと小さな1つの症状であろうと、その病的体質を調整して治療します。
漢方では病気を治すことと毎日の生活の中での不調や症状を治すこととは同じ治療方法です。
なので、体質をしっかり分析していれば、むしろ飲み続けたほうが、サプリメントのいるか、いらないかわからない栄養素の補給なんかよりも体のメンテナンス能力は段違いです。
病院のようなド素人でもできる病名マニュアル処方ではテキトーすぎて飲み続けるのはかえって危険ですが、体質を調整する目的での漢方薬なら飲み続けることができるし、サプリメントなんて目じゃないです。
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