吐き気が上がってくるし、便は若干、軟便気味。
胃腸風邪が流行っているという話があったので、おそらくそれだなと思った。
胃腸風邪は、咳や喉痛、鼻水などから始まらないので、わかりにくい。
また、風邪症状も後半にしか出てこないことが多いので治療を始めるのが遅くなってしまう事も多く。やっかいだ。
また、漢方的には、直中の少陰といって、いきなり自分の城の中を攻撃される感じになるので、そういう意味でもやっかいなのです。
漢方では、病位といって外からの邪(ウィルス)などが身体の中に侵入していく過程を時間軸で示しています。
@太陽病 → A少陽病 → B(陽明病) → C太陰病 → D少陰病 → E厥陰病
6つの病気の進行時期や場所を示していて、@からEへと攻めすすんでいく。
ウィルス対身体の抵抗力の戦争の期間や場所だ。
太陽病は、風邪にかかったばっかりの時期で、
ウィルスは、肺から上で大暴れする。
破壊されるのは、頭、鼻、喉。
これは頭痛、発熱、鼻水、喉痛となって現れる。
こんな感じで、少陽病は太陽病から時期が少陽病に移って、
戦争の場所もみぞおちから胃のあたりまでと時期と場所が移っていく。
要するに身体の上部からウィルスが入ってきて、
だんだんと身体の下部へ攻め込んでくるのです。
六病位の詳しいことは、また今度書くとして、
胃腸風邪によくある直中の少陰というのは、本来、外堀や城壁など、
じょじょに攻め込まれるはずが、いきなり、城の中がやられるのです。
その場所が胃腸。
漢方では、もちろん、直中の少陰にあてはまる漢方薬はあるのですが、
同じ症状でも風邪からの場合と慢性病の場合は、
役割の違うお薬を使うことが多いので、やっかいなんです。
今回も漢方薬を選ぶのに迷いました。
咳、鼻水、喉痛はなかったけど、関節の痛みはあったので、
初回は桂麻各半湯をいきました。
この1服で関節の痛みはなくなったけど、吐き気は上がってくる。
そして、関節の痛みはなくなったけど、
咳が若干出てきました。背中の張りもあるので、
ここは参蘇飲。
これは当たった感じ。
吐き気はスッキリとして咳が止まり背中の張りもなくなりました。
さすが、葛根湯合六君子湯加減。
しかし、次の日。
再び、吐き気。なんだったら吐いてやろうかの手前。
咳はなかったので、ここは脾胃の熱として、
ベタですが、柴胡桂枝湯でいきましたが1服飲んでも反応なし。
これは思ったより深くて強いぞ。
そこで、香蘇散
胃腸を助けながら、発散するものです。
これをお湯でといてゆっくりと飲む。
これは、ストライク!
そして、次の日。治ったと思っていたら、
咳が出てきて、吐き気は若干復活。
そこで再び参蘇飲。
しかし2服以降から、吐き気がとりきれない。
で、再び香蘇散にしたら、すごくいい感じ。
以外と強い胃腸風邪だったようです。
しかし、急性の漢方治療はおもしろいです。