ちょっと前に携帯ゲームで有名なDNAという会社が医療情報の記事を大量に載せていたサイトなのですが、安い賃金で医療と何の関係もないアルバイトを雇い、組織的に他の医療サイトからパクって医療記事を載せたり、「肩こりは幽霊が原因」などのトンデモ記事を大量に生産していましたが、社会問題となり、サイトは閉鎖となりました。
このことがあり、今度はヘルスケア大学というサイトが「医師5182人に記事を監修してもらっています」という触れ込みで大量の医療記事をサイトに載せていましたが、こちらも、いいかげんな記事や他のサイトのパクリ記事などで問題になっております。
おまけに登録されている監修医師が「登録したおぼえも、記事を監修したおぼえがない」なんてことも出てきて、てんやわんやです。
更にサイトは様々な病気などの医療記事がありますが、監修医師のほとんどが歯科医なんて話も出ています。
どちらも難しい医療情報を扱ったサイト。
そして、ある記事で語られていましたが、
WELQの方がマシだった? ネットの医療情報は今、どうなっているのか
WebサイトはSEOというテクニックがあって、記事が良いものかどうかと関係ないテクニックで検索上位に上げることができます。
未だに検索の上の方にあるサイトは「いいサイト」と思っている人がいますが、そんなのはネット黎明期の話で今は「SEOテクニックに長けている」ということが、良い情報かどうかよりも優先されます。
WELQの問題は、記事がいいかげんだろうがなんだろうが、SEOテクニックを使って、上位表示されていたことです。
この時に信頼性の高い大学や公的機関のサイトは検索順位が下がってしまい、そしてWELQは閉鎖されましたが、「違法ではないが有害」なサイトが未だ、検索上位に対等してしまっているとのこと。
中には、高額な漢方薬で「がんが治った」というような記事が検査上位にでてきていると書かれていました。
僕が気になったのは「高額な漢方薬で・・・」と書かれていたので、漢方、悪者じゃん!と思い、目に止まったのですが、漢方を専門に研究しているものとして「何かの漢方薬だけを飲み続けたら、がんが治ることなんてないです。がんの治療は、そんな簡単なものじゃないです。」と一言いっておきたいです。
信頼性のある医療記事が今、問題になっていますが、ヘルケア大学のように監修する医者が登録されていても、当の登録医師が監修を知らなかったとか、パクリ記事やトンデモ記事が量産されるので、延々と信頼性のある記事なんて無理なんじゃないかなと思います。
医療記事に限らず、ネットは、正しい情報を伝えるものではなく、ただ単に「情報」があるところです。
組織的にネットの構造をSEOテクニックなどで悪用して、偽医療記事を量産するのは確かに問題ですが、ネットの構造上、ほぼ規制がないというところが主軸になっていて、それが利点だったりもするのです。
規制をかけるということは「本」とか「広報」になりますから。
なので、これから、もっともっと良い情報、悪い情報は、肥大しつづけていくと思いますので、自分自身が正しいかどうかを判断するしかないと思います。
僕は、西洋医学のことを調べる場合、医療情報を調べるなら、病気のことならメルクマニュアルとか、今日の治療指針とか、薬のことなら「薬の名前 添付文書」で検索して調べたりして(例えばクロミッド)、どこかのよくわからないサイトで調べたりしません。
これらの情報をネットで調べたらわかるかと思いますが、基礎的な生理学や薬理学がわかっていなければ、一般の人は6,7割しかわからないと思います。
僕は更に念押しに師匠の元外科医の先生に直接、質問もして確認する時もあります。
なので、便利なはずのネットの話でこんな話も変ですが、医学の基礎知識がない人でもわかる事自体、その情報は疑ったほうがいいと思います。
医師の監修とか精査しているサイトでも、そこはイタチごっこ。
やはり、そこは医療情報。全く素人でもわかると感じられる事自体が危ないですね。
ある医者がWELQやヘスケア大学の中の記事でトンデモ記事ではないけど、間違っているみたいな指摘のものもありましたが、これも微妙です。
なぜなら、例えば西洋医学は日進月歩なので、調べる方向性によったら、肺にまさかの造血機能こんな記事もあったりして、今までの定説だったら、トンデモ記事になります。
よって、ある記事が絶対に間違っているかどうかの判断も、医学のどの方向性から精査するかで変わってくるのです。
そして、このニュースはいろいろなサイトから発信されているので、監修医もクソもないです。
検索で出てきたら、自分で精査するしかありません。
この記事も、もしかして、2,3年、研究が進んだら、もっとすごい発見があって内容が変わる可能性もありますし、あれ嘘になっちゃいました。という結果になることもあります。
でも、これはデマでなく、研究途中のせいだからです。
とういうことで医療情報は、メルクマニュアルや今日の治療指針、薬の添付文書などで調べて明確に意味がわからないのであれば、一から基礎医学を勉強してネットで調べるというのもなんですから、しかるべき施設や先生に相談したほうがてっとり早いと思います。
これからも医療情報は、良い情報も悪い情報もごちゃまぜに増えていくと思います。